伸び悩みが続く外食産業の現状

景気回復実感と節約志向

大手企業はベアと呼ばれる給料のベースアップが実現し、月給が増えたり、プレミアムフライデーの導入により、早く帰れる金曜日ができるなど、景気回復の実感があるのではないでしょうか。
一方で、中小企業ではなかなか給料があがらず、当然のことながら、どの金曜日も早く帰ることはできません。
そんな景気の回復を実感できない人が多いため、節約志向は不景気に見舞われたころからずっと継続しているといえます。
節約志向に入ると、人はまず外食を減らします。
そのため、景気がよければ会社帰りにちょっと居酒屋に立ち寄って、ビールの一杯でも飲んでから帰ろうかと考えていたサラリーマンも、家に帰って缶ビールを飲もうということになってしまいます。
一部の企業では景気回復を実感できているため、居酒屋業界には新しい人気店も登場しましたが、一方で大手と呼ばれたチェーン店が苦戦するという構図も生まれてきています。

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居酒屋の現状を厳しくしている要因

外食産業というのは、B級グルメの登場とその人気の広まり具合からもわかるように、比較的新規参入がしやすい分野です。
うまくブームに乗っかることができれば、一気に知名度を上げて、全国展開ということすら可能です。
これを光の側とするならば、影の側から見ると、これまで人気店だったところが、一気にお客を持って行かれるということになります。
お客を持って行かれる理由はいろいろあるでしょうが、店の経営は苦しくなるのは確実です。
居酒屋に関していうならば、人口の減少から来店客数が伸び悩んだり、今まで来てくれていた人が来なくなることになります。
さらに、外食をしない節約志向を目指す人が増え、さらに客足が鈍っているのが現状です。
新規にアイデアを引っ提げて飲食業界に参入してくるところが多いことと併せ、お客の奪い合いが行われてしまうわけです。

アイデア勝負で生き残りを目指す

飲食業界にもブームは起こり、特定の飲み物やスイーツが人気を博すことがよくあります。
それを考えると人気がある間は大賑わいですが、ひとたびブームが去ると、店の経営も終えることになります。
その点、居酒屋はたくさんの料理を用意し、お酒の種類も豊富ですので、一つのブームが去っても急に店がつぶれるとは考えにくいでしょう。
ただし、ウリとなるおいしい料理がないと、どの料理もマンネリ化してしまい、人気がなくなってしまいます。
斜陽の外食産業だからこそ、常に新しいメニューを提供して飽きられないようにすることが、居酒屋を取り巻く厳しい現状では重要といえるでしょう。